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高分子材料の事典 / 高分子学会編集
高分子学会　編集
朝倉書店
2022年11月

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■e_itemが扱う化学関連書籍
化学（かがく、英語: chemistry ケミストリー、羅語：chemia ケーミア）とは、さまざまな物質の構造・性質および物質相互の反応を研究する、自然科学の一部門です。物質が、何から、どのような構造で出来ているか、どんな特徴や性質を持っているか、そして相互作用や反応によってどのように、何に変化するか、を研究するとも言い換えられます。
日本語では同音異義の「科学」（英: science）との混同をさけるため、化学を湯桶読みして「ばけがく」とよぶこともあります。
化学で扱う基本的なこと
・原子の種類と構造
・化学結合
・分子の構造
・物質の状態
・化学反応
主な化学の分野
諸分野の役割
化学には、研究手法や対象とする物質の違いによって多くの分野が存在します。しかし、各分野間には関連領域が存在するため明確に区別することは難しいです。以下に例として代表的なものを挙げます。
・物理化学
物理化学は物理学的な理論や測定方法、例えば熱力学や量子力学的な手法や視点から化学が対象をする物質を研究し、物質やその性質および反応を分類する上で基準を作り、そして分類する分野です。ヴァルター・ネルンストが著述『理論化学』（Theoretische Chemie、1893年）で唱えた理論化学もほぼ同じ概念です。また、コンピュータの進歩に伴い、理論式から計算によって物質の状態を予測する量子化学や計算化学も急速に発展しています。物理化学の方法論で生物を対象に行われる研究は生物物理化学であり、これをコンピュータによる仮想的な体系でシミュレートする人工化学も提唱されています。
・無機化学
無機化学は、有機化合物を除くすべての物質、すなわち単体と無機化合物を対象とする広い分野です。広義には、錯体を扱う錯体化学、生体内の無機物を扱う生物無機化学（または無機生化学）、鉱物化学や地球化学、放射化学、有機金属化学などと境界領域を共有する場合があります。
・有機化学
有機化学は、有機化合物を扱う分野です。元々は動物や植物など生物体の組織（有機体）を構成する物質を対象として始まり、後に有機体以外から生成される有機化合物も対象に含まれて体系化されました。無機化学の分野とは相互補充する関係にあります。多様な反応をするため、専門的な分野として特化しています。有機合成化学目的の有機化合物を得るために合成系列や反応方法などを創案する分野です。薬学とも密接なかかわりがあります。生物学との境界分野は生物有機化学と呼ばれます。有機化合物の構造と性質の関係を研究する分野は有機構造論、特に立体構造に着目する領域は立体化学に分けられます。天然には存在しない物質を合成して繊維や高分子材料を製造するための研究は有機工業化学と呼ばれます。
・高分子化学
高分子化学は、分子量が1万から数百万にまで及ぶような非常に大きな分子である高分子を取り扱う分野であり、その化合物は有機・無機の両方を対象とします。しかし実際には有機化合物を取扱う割合が高いです。合成方法だけではなく、機械特性や熱物性なども研究対象としています。高分子の材料としての重要性から、工業とのつながりが非常に強いです。
・生化学（生物化学）
生化学または生物化学は、生物や生命現象を化学的な理論や実験手法を導入して研究する分野であり生物学と化学の両方にまたがる領域です。酵素の研究を軸にホルモンなどのタンパク質や糖、核酸、脂質などの生体内の物質群や、生体のエネルギー獲得や輸送および代謝機能などを扱うことが多いです。生体高分子を扱うことが多いため高分子化学とも関連します。生命現象を分子単位で研究する分子生物学や分子遺伝学を含み、遺伝子工学などに応用されます。また、組織化学とは細胞など組織中の特定物質が分布する状況を、化学反応を用いて染色させ判断する技術を言い、免疫組織化学もそのひとつに含まれます。衛生化学とは、物質が生体に及ぼす影響を研究する、予防薬学分野の応用に当たる分野です。
・分析化学・機器分析化学・合成有機化学
分析化学や機器分析化学は、様々な物質を測定したり分離したりすることを目的とした実験や理論を研究する分野です。中でも機器分析化学は、分析化学の中で分析機器を用いた研究分野です。応用性が強く、実験室レベルの基礎化学から工業生産物・臨床検査など幅広い範囲を対象とし、食品や薬品、農業、工業などさまざまな分野で重要な役割を担っています。合成化学は、存在できる物質を知る分野であり、化学反応を用いて実際に物質を作り出すことを研究・開発する分野であり、触媒化学や材料化学を含みます。
・応用化学
応用化学は、生産に関わるさまざまな技術や工程で用いられる物質や反応などを研究する分野であり、生産する種類によって工業化学、農芸化学、薬化学などに細分化されます。狭義では原料を化学製品へ転換し、目的の物質を得る上で必要な一連の方法を対象とする分野である工業化学を指し、日本では工学の一分野として応用化学と工業化学は同義にて用いられることが多いです。工業化学では、新しい反応や触媒の探求からプラントの設計まで、実用上必要とされる幅広い事柄を取り扱います。一方で、日本の大学に設置されている化学科と応用化学科（生命科学部生命科学科・応用生命科学部応用生命科学科）の教育内容に違いはほとんどありません。
・環境化学
環境化学は、環境（地球ならば水圏、岩石圏、大気圏など）における化学物質の生成、反応、移動、影響や成り行きなどを研究する分野であり、これらが生物圏に与える影響（環境問題）を化学的に説明します。地球環境化学はこのような研究を地球規模の環境に対して行う分野です。

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